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現地レポート

2015 君が創る 近畿総体(インターハイ) 大会1日目 現地レポート -有名であれ、無名であれ- RSS

2015年7月29日 13時29分

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 本日7月29日(水)より「平成27年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会 第68回全国高等学校バスケットボール選手権大会(インターハイ)」が開幕しました。大会初日の今日は男女1回戦各27試合、計54試合が行なわれ、1点差のゲームあり、延長戦ありと、早くも夏の暑さ同様に熱い展開が繰り広げられました。

 中でも注目されたのは、全国的に名を馳せているチーム同士のいきなりの対戦。女子の福井・県立足羽と山形・山形市立商業はお互いが「粘り」を信条とするチームですが、結果は終始ペースを掴んで試合を進めた県立足羽が、【87-71】で勝利を収めました。2011年以来、インターハイでは毎年初戦で敗れていた県立足羽が、今年はエースの#5村井 杏奈選手を軸に、2年生オールラウンドプレーヤー#9宮下 希保選手やシューターの#6嶋田 麻那選手らが躍動し、5年ぶりのインターハイ初戦突破を果たしたのです。
 敗れた山形市立商業がインターハイの初戦で姿を消すのは、2007年の佐賀インターハイ以来8年ぶりのこと。インターハイ予選後に行なわれた東北ブロック大会で、2年生センターの小鷹 実春選手が右膝の前十字靭帯を断裂し、高さを失ったことで苦しみましたが、高橋 仁コーチは「今日の敗因は高さだけではない」と言います。

「懸念していたリバウンドが取れず、県立足羽のハイローのプレイを抑えられなかったことは確かに苦しみました。ただ、ハイローのプレイのディフェンスについては、高さでやられたというより、その前に良いポジションを取られているのが良くありませんでした。シュートも、フリースローやショートコーナーからの決めるべきシュートを決められなかったから…あれでは勝てません」

 それ以上に高橋コーチの頭を悩ませたのは、3年生の戦う姿勢でした。

山形市立商業は#4村山 菜々恵選手が積極的に攻めるが、効果的な攻撃にはつながらず

山形市立商業は#4村山 菜々恵選手が積極的に攻めるが、効果的な攻撃にはつながらず

「3年生の戦う姿勢がまったく足りない。例年インターハイは『3年生にとって最後のインターハイだ』と3年生が気持ちを高め、下級生たちもそれをモチベーションにするのだけど、今年のチームはそれが出せませんでした」

 キャプテンの#4村山 菜々恵選手もそれを悔い、認めます。

「自分自身がすごく不甲斐なく、情けないです。チームを引っ張るキャプテンとしてはチームメイトに指示を出して、動かしていかなければいけないのに、思ったことを伝える言葉が出てきませんでした」

 山形市立商業といえば「ボールと人が連動するバスケット」を常に標榜しているチーム。40分間それを続けるためには、40分間チームがひとつにならなければいけません。特にチーム随一のリバウンダーだった小鷹選手を欠いたときだからこそ、チームでその穴を埋めようと思えば、よりひとつになる必要があったわけです。
 それができずに敗れた今夏のインターハイ。この経験を冬に向けてどう昇華させるのか。そのために、3年生が変化していくのか。残りわずかの高校バスケットの日々を彼女たちがどのように過ごすのか、今後に期待がかかります。

 もう一戦、全国区のチーム同士の対戦となった、岐阜・岐阜女子と東京・東京成徳大学の対戦も思わぬ点差で終わりました。岐阜女子が【80-57】で東京成徳大学を破り、2回戦進出を決めました。
 岐阜女子も県立足羽同様、キャプテンの#4村瀬 久美選手を中心に、司令塔の#9藤田 歩選手や1年生センターの#8バイ・クンバ・ディヤサン選手らが、各々の役割に徹したことで勝利につなげました。
 敗れた東京成徳大学も序盤こそ食らいついていきましたが、徐々に地力の差が出てきたと、遠香 周平コーチは言います。

体を張ってインサイドを守った東京成徳大学#7大原 咲織選手

体を張ってインサイドを守った東京成徳大学#7大原 咲織選手

「徐々に集中力が切れたところを、岐阜女子は見逃しませんでした。1年生センターの#7大原 咲織選手は留学生に対するディフェンスをしっかり練習してきて、期待に沿う動きをしてくれました。それは収穫です。ただ勝つためにはまだまだディフェンスの力をつけなければいけないし、オフェンスでも得点を取れるようにならなければなりません」

 大原選手自身も初のインターハイでそれを痛感し、涙を流します。

「繰り返し練習してきたはずの、相手のセンターをペイントエリアの外に押し出すことができなくて、すごく悔しいです。まだまだ気持ちの弱いところもあるので、強い気持ちを持って、相手の当たりにも負けないセンターになりたいです」

 有名無名に関わらず、この夏の経験が秋から冬へ、またその次の夏へと続いていきます。それを生かすためには自らを常に省みて、弱点を克服しようと前進し続ける力が求められます。それは決して簡単なことではありません。しかしインターハイ2015は今年度の高校バスケの始まりの一歩に過ぎないのです。一歩踏み出したところで止まるのか、それとも2歩、3歩と踏み出して、その先の景色を見ようとするのか―――初日で敗れたすべてのチームのこれからに注目したいと思います。

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