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現地レポート

2015 君が創る 近畿総体(インターハイ) 大会2日目 現地レポート -終わりから始まる- RSS

2015年7月30日 14時13分

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 「平成27年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会 第68回全国高等学校バスケットボール選手権大会(インターハイ)」の2日目は、男女のシード校が登場してきました。昨年度の結果と、今年度の地方ブロック大会の結果を踏まえて決められるシード枠ですが、だからといってそのチームが絶対的に強い、もしくは必ず3回戦に進めるという保証はありません。むしろシード校が、1回戦を勝ち抜いて勢いに乗るチームに敗れてしまうことは全国大会でよくあることです。むろん勝ったチームからすれば勢いだけで勝ったのではなく、相手よリも実力が上回っていたから勝ったのも事実です。

 京都府のインターハイ予選を2位で終わりながら、開催地枠でインターハイ出場を決めた京都・洛南。予選後の近畿ブロック大会で優勝したこともあり、インターハイはシード校として迎えることになりました。しかし結果は新潟・帝京長岡に【67-72】で敗れ、早くも地元開催のインターハイから姿を消すことになります。
 洛南の吉田 裕司コーチは「高さを止めることができなかった」と言います。帝京長岡の#7ディアベイト・タヒロウ選手に43点を奪われてしまったのです。

「オフェンスではインサイドでボールを持たせず、リバウンドも取らせないようにと対策を立ててきたのですが、もう一つ上の高さでボールを扱われてしまいました。(洛南の)選手たちはよく頑張ったと思いますが、あの高さを守るのは現時点では限界だったのかもしれません」

 しかし、敗因はそれだけではありません。タヒロウ選手の高さに対抗しようと空回りをしたのか、前半は洛南らしさ、つまり「パス&ラン」を主体としたチームで連動した攻撃が見られませんでした。オールコートでのトランジションゲーム(攻守の切り替えを早くする展開)にも持ち込めず、攻撃が単発に終わってしまいました。それは吉田コーチも認めています。

「前半はゴール下で次々に失点することの焦りからか、良いシュートを打つことができず、相手の流れを食い止めることができませんでした」

 後半、オールコートの走る展開に持ち込んことで5点差まで追いついたことを考えると、やはり前半の20点差が大きく響いたと言わざるを得ません。

積極的にゴールにアタックする洛南#8田邉 陸也選手。チームトップの17得点を挙げた

積極的にゴールにアタックする洛南#8田邉 陸也選手。チームトップの17得点を挙げた

 タヒロウ選手に対しても積極的な攻撃を仕掛け、チームトップの17得点を挙げた洛南#8田邉 陸也選手も前半の出来の悪さを悔やんでいました。

「ディフェンスからファストブレイクに持ち込むのが洛南のバスケットです。しかし今年のチームはエンジンがかかるのが遅く、その悪いところが出てしまいました。後半、自分たちのバスケットが出せたことで点差を詰めることができたので、やはり前半が敗因だと思います」

 そして、こう続けます。

「冬までには試合の序盤から最後まで走りきれるようにしたいです。個人的には、何度かドライブで得点を挙げることができましたが、最後の最後に2本連続でドライブをタヒロウ選手にブロックされたので、大事な場面での駆け引きなどを課題にしたいと思います」

 関西の雄、洛南が敗れたあと、本日の最終戦でコートに立ったのは昨年度のインターハイ王者、福岡・福岡大学附属大濠です。相手は福井・北陸。高校バスケット界きっての伝統校同士の対戦は【76-85】で第2シードの福岡大学附属大濠が敗れる結果となりました。

「(北陸#10)シェイク・ケイタ選手をしっかり守って、ファウルトラブルに陥らせるまでは計算通りでした。しかしもう1人の留学生、#12ジェン・アビブ選手にやられすぎました。ディフェンスの徹底不足です」

 福岡大学附属大濠の片峯 聡太コーチは敗因をそう語ります。

 加えて試合終盤、まだ福岡大学附属大濠にも勝利のチャンスが十分残っている時間帯に、リバウンドとルーズボールを支配することができませんでした。勝敗を分けたのは、その差と言っても過言ではありません。

福岡大学附属大濠のキャプテン#4牧 隼利選手は、冬への巻き返しを誓った

福岡大学附属大濠のキャプテン#4牧 隼利選手は、冬への巻き返しを誓った

 勝った北陸の久井 茂稔コーチも「リバウンドやルーズボールの徹底が、試合の終盤に相手のやりたいバスケットをさせず、流れを断ち切ることができた要因だと思います」と言います。ここ1、2年、全国の上位に食い込んでいなかった北陸が、上位に食い込んでいた時代を振り返ったとき、ディフェンスからファストブレイクを基調とするバスケットをするためにはリバウンドとルーズボールを徹底する必要があると、久井コーチはチームを立て直しました。それが今日の勝利につながったわけです。

 話しを敗れた福岡大学附属大濠に戻せば、キャプテンの#4牧 隼利選手がチームを引っ張ることができなかった反省などをひととおりを述べた後、最後にこう言いました。

「まだ(今年度の高校バスケットが)終わったわけじゃありません。インターハイは負けたけど、その分、勝ったチームよりも先にウインターカップに向けた練習が始められます。ウインターカップに向けては、戦術よりリバウンドやルーズボールを徹底していきたいです」

 インターハイの負けは“終わり”を意味するありません。高校バスケット最高峰の大会ともいうべきウインターカップに向けた“始まり”なのです。むろん悔しさはあるでしょう。しかし、いち早く敗戦から立ち直り、次の一歩を踏み出した者が冬に笑うのです。冬の洛南、福岡大学附属大濠、そして今日までに敗れたすべてのチームの“次の一歩”に期待がかかります。

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