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現地レポート

2015 君が創る 近畿総体(インターハイ) 大会5日目 現地レポート ‐キャプテンたちの夏‐ RSS

2015年8月2日 13時05分

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 「平成27年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会 第68回全国高等学校バスケットボール選手権大会(インターハイ)」も大詰めを迎え、大会5日目はハンナリーズアリーナの1会場となり、男女準決勝が行われました。今年のインターハイ決勝カードは、男子が「明成(宮城)vs桜丘(桜丘)」、女子が「桜花学園(愛知)vs岐阜女子(岐阜)」となりました。この4チームは、他のチームに先駆けて、ウインターカップへの出場権も同時に手にしたことになります。
 あと一歩及ばなかったのが、男子の新潟・帝京長岡、京都・東山、女子の東京・明星学園、千葉・昭和学院です。敗れたチーム、そしてファイナリストも含めて、完成形には程遠く、まだまだ成長の余地を大きく残しています。中でもベスト4でインターハイを終えた4チームは、東山の大澤 徹也コーチの言葉を借りれば、「ここまで来たら、もう一つ上に行きたいという欲も生まれてきた」ことでしょう。冬に向けて、もうひとつ先の扉を開けるべく、また厳しい練習が始まります。

 チームを引っ張るキャプテンも、これまで以上に、ここからが正念場なのかもしれません。

「インターハイに入ってから左ヒザに痛みを感じ始めて、そのことが頭から離れず、精一杯のプレイをすることができませんでした」

 女子準決勝1試合目、桜花学園に【38-52】で敗れた明星学園のエースで、キャプテンの#4中田 珠未選手は自分の不甲斐なさに涙を流していました。
 それでも結成当初はなかなかまとまらず、選手同士で意見のぶつかり合いをしていたチームが、関東ブロック大会で茨城・明秀学園日立に敗れてから、少しずつ変化していったと言います。それまで流れが悪くなると声さえ出すことができなくなっていたチームが、徐々に声を出し始め、お互いにモチベーションを高め合える存在になっていったのです。

ヒザの痛みを抱えて、思い切りのよいプレイが出せなかった#4中田 珠未選手。

ヒザの痛みを抱えて、思い切りのよいプレイが出せなかった#4中田 珠未選手。

 今日の桜花学園戦では少しだけ後戻りをしてしまいましたが、改めて声を掛け合い、チームがひとつになることの大切さに、中田選手をはじめチームメイトが気づきました。涙のあとに、中田選手も、明星学園のチームメイトたちも、既に照準をウインターカップに向けています。

「私は自分が『ダメだ……』と思うと、自分のことで手いっぱいになってしまうところがあります。インターハイでも少しそういった部分が出たように思います。でもそんなときに椎名(眞一)コーチから『キャプテンなんだから、チームをどうするか考えなさい』と言われて、確かにそうだなって思いました」

 そう言って、中田選手は決意を新たにします。

「みんなは明星学園の選手ですが、私は選手である上にキャプテンでもあるから、これからは自分のことよりもチームを最優先に考えたい。普段の生活でも自分が『明星学園のキャプテン』だということを忘れずに、いろんな面で声をかけられるようになりたいです」

 準決勝の第3試合、男子の帝京長岡は、第1シードの明成を第3ピリオドの終盤まで苦しめながら、勝利に向けた次の一歩が出ませんでした。結果は【56-73】で敗れ、チーム初の全国大会決勝進出はウインターカップ以降に持ち越しとなります。

「シュートやパスのミスもありましたが、それ以上に自分たちの持ち味であるディフェンスの足が止まってしまいました。同時に集中力と声掛けも止まってしまいました」

 キャプテンの#4頓所 幹康選手は、ゲームをそう振り返ります。

 チームが始動して以来、頓所選手はキャプテンとしてチーム力を高めることに注力していたと言います。質的にも量的にも厳しい帝京長岡の練習を、頓所選手が先頭に立ちながら、全員で声を掛け合いながら乗り越えてきたのです。
 今大会でも、昨日の東京・八王子学園八王子戦のように相手チームの選手が「刺激になった」と認めるほどの強力なキャプテンシーを発揮していました。相手が明成でも、帝京長岡が一つになれば必ず勝てる。そう信じて戦っていましたが、最後の最後でそれをうまく出すことができませんでした。

一心になるべくチームをまとめあげた#4頓所 幹康選手

一心になるべくチームをまとめあげた#4頓所 幹康選手

「明成のシュートが入り出したときに声を出すことができなくて……負けているときこそキャプテンである自分が声を出さなければいけないのに、自分もみんなと同じように落ち込んでしまいました。自分だけでも声をかけるべきだったと思っています」

 それは決して簡単なことではありません。プロ選手であればそうしたメンタルの強さも求められますが、発展途上の高校生プレイヤーがそこまでできれば、それこそ「超高校級」と言っていいでしょう。
 しかし一方でそれに気づけたことは、今後の頓所選手にとって大きなプラス材料になります。

「新潟県には開志国際など強豪校がいて、ウインターカップへの出場権を獲得するのもすごく厳しいです。でもインターハイで経験した、自分たちのダメなところをしっかりと修正して、臨めればチャンスは十分にあると思います。特に自分は今大会を通して、大事な場面でミスが多かったので、ミスを減らしていきたいです」

 キャプテンだからといって、何か特別なことをしなければいけないわけではありません。むしろ、キャプテンとして特別なことをしようとするあまり、自分のプレイが疎かになっては本末転倒です。
 ただ、ほんの少しだけ周りに目を配り、気を配ることができれば、チームは一つになっていきます。キャプテンに選ばれる選手とは、バスケットの実力もさることながら、そうした周囲への目配り、気配りとプレイとを両立できると思われているからこそ、それに任命されたのです。

 明星学園の中田選手も、帝京長岡の頓所選手も、インターハイの大事なゲームではうまくいかなかったかもしれませんが、そのことを認識し、自覚できたことが大きな収穫だと言えます。
 夏の悔しさを受け止め、乗り越えたとき、キャプテンたちは今よりも一回りも二回りも大きな存在となって、ウインターカップに必ず帰ってきてくれるでしょう。冬はそんなキャプテンたちの顔つきにも注目です。

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